事業再構築補助金の1次公募が開始(4月30日期限)
中小企業が事業の再構築に挑戦するときの設備投資、広告費等の経費に充てるための事業再構築補助金が2021年4月15日から一次公募が開始となりました。
1.対象者
《一般枠》
(1)売上が減少していること
申請前の直近6ヵ月間のうち、任意の3ヵ月の合計売上高が、2019年1月~2020年3月の同3ヵ月間の合計売上高と比較して10%以上減少していること
(2)事業再構築に取り組むこと
(3)認定経営革新等支援機関と事業計画を策定すること
《緊急事態宣言特別枠》
(1)一般枠(1)から(3)を満たすこと
(2)緊急事態宣言に伴う飲食店の時短営業や不要不急の外出・移動の自粛等により影響を受けたことにより、2021年1月~3月のいずれかの月の売上高が対前年又は前々年の同月比で30%以上減少していること
(注)要件に合致すれば地域や業種は問いません。
2.事業再構築
(1)新分野展開
▽主たる業種、主たる事業を変更することなく、新たな製品等を製造等し、新たな市場に進出すること
《例:不動産業》 都市部の駅前にビジネス客向けのウィクリーマンションを営んでいたが、テレワーク需要の増加を踏まえて、客室の一部をテレワークスペースや小会議室に改装するとともにオフィス機器を導入し、3年間の事業計画期間終了時点で当該レンタルオフィス業の売上高が総売上高の10%以上となる計画を策定している場合
(2)事業転換
▽新たな製品等を製造等することにより、主たる業種を変更することなく、主たる「事業」を変更すること
《例:飲食サービス業》 日本料理店が、換気の徹底によりコロナの感染リスクが低いとされ、足元業績が好調な焼肉店を新たに開業し、3年間の事業計画期間終了時において焼肉事業の売上高構成比が、日本標準産業分類の細分類ベースで最も高い事業となる計画を策定している場合
(3)業種転換
▽新たな製品等を製造等することにより、主たる「業種」を変更すること
《例:賃貸業》 レンタカー事業を営んでいる事業者が、新たにファミリー向けのコロナ対策に配慮した貸切ペンションを経営し、レンタカー事業と組み合わせた宿泊プランを提供することで、3年間の事業計画期間終了時点において、貸切ペンション経営を含む業種の売上高構成比が最も高くなる計画を策定している場合
(4)業態転換
▽製品等の製造方法等を相当程度変更すること
《例:サービス業》 ヨガ教室を経営していたところ、コロナの影響で顧客が激減し、売上が低迷していることを受け、サービスの提供方法を変更すべく、店舗での営業を縮小し、オンラインサービスを新たに開始し、オンラインサービスの売上高が、3年間の事業計画期間終了後、総売上高の10%以上となる計画を策定している場合
《例:製造業》 健康器具を製造している製造業者が、コロナの感染リスクを抑えつつ、生産性を向上させることを目的として、AI・IoT技術などのデジタル技術を活用して、製造プロセスの省人化を進めるとともに、削減が見込まれるコストを投じてより付加価値の高い健康器具を製造し、新たな製造方法による売上高が、5年間の事業計画期間終了後、総売上高の10%以上となる計画を策定している場合
(5)事業再編
▽事業再編を通じて新分野展開、事業転換、業種転換又は業態転換のいずれかを行う
<参考>業種と事業
「業種」・・・日本標準産業分類の大分類の産業
「事業」・・・日本標準産業分類の中分類、小分類、細分類の産業
3.事業再構築の種類別要件
・製品等新規性要件
(イ)過去に製造等した実績がないこと
(ロ)製造等に用いる主要な設備を変更すること
(ハ)定量的に性能又は効能が異なること
・市場の新規性要件
既存製品等と新製品等の代替性が低いこと(新製品等を販売した際に既存製品等の需要が単純に置き換わり、既存製品等の売上が減少するものでないこと)
・製造方法等の新規性要件
(イ)過去に同じ方法で製造等していた実績がないこと
(ロ)新たな製造方法等に用いる主要な設備を変更すること
(ハ)定量的に性能又は効能が異なること
・売上高10%要件
新たな製品等の売上高が総売上高の10%以上となること
・売上高構成比要件
3~5年間の事業計画終了後、新たな製品等の属する事業(業種)が売上高構成比の最も高い事業(業種)となること
・設備撤去等要件
既存の設備の撤去や既存の店舗の縮小等を伴うもの
4.補助額(中小企業の場合)
《一般枠》
[通常枠]補助額100万円~6,000万円(補助率2/3)
[卒業枠]補助額6,000万円~1億円(補助率2/3)
(注)卒業枠:400社限定。事業計画期間内に(イ)組織再編、(ロ)新規設備投資、(ハ)グローバル展開のいずれかにより資本金又は従業員数を増やし、中小企業から中堅企業へ成長する事業者向けの特別枠
《緊急事態宣言特別枠》 (補助率:中小企業3/4)
従業員数5人以下 補助金額100万円~500万円
従業員数20人以下 補助金額100万円~1,000万円
従業員数21人以上 補助金額100万円~1,500万円
<参考>中小企業の範囲
製造業その他:資本金3億円以下又は従業員数300人以下
卸売業:資本金1億円以下又は従業員数100人以下
小売業:資本金5,000万円以下又は従業員数50人以下
サービス業:資本金5,000万円以下又は従業員数100人以下
5.補助対象経費
・建物費(建物の建築・改修、建物の撤去、賃貸物件等の原状回復)
・機械装置、システム構築費、クラウドサービス利用費
・外注費、専門家経費
・広告宣伝費、販売促進費
・研修費
<補助対象外経費>
・従業員の人件費、旅費
・不動産、株式、車両、汎用品(パソコン、スマートフォン、家具等)の購入費
・フランチャイズ加盟料、販売する商品の原材料費、消耗品費、水道光熱費、通信費
6.申請手続
補助金申請は電子申請になります。
(1)GビズIDプライムの取得
電子申請に必要なGビズIDを申請します。
(2)認定経営革新等支援機関と事業計画書を策定する
(3)事業再構築補助金サイトで電子申請を行う
(注)補助金が3,000万円以上となる場合は、認定経営革新等支援機関とは別に金融機関による確認書も必要となる。
7.事業計画書
様式は任意ですが、事業計画書の良し悪しが採択されるかに直結する非常に重要なものです。
(1)記載内容
(イ)補助事業の具体的取り組み内容
(ロ)将来の展望
(ハ)本事業で取得する主な資産
(ニ)収益計画
(2)ページ数
15ページ以内
(3)《事業計画に含めるべきポイント例
・現在の企業の事業、強み・弱み、機会・脅威、事業環境、事業再構築の必要性
・事業再構築の具体的内容(提供する製品・サービス、導入する設備、工事等)
・事業再構築の市場の状況、自社の優位性、価格設定、課題・リスクとその解決法
・実施体制、スケジュール、資金調達計画、収益計画(付加価値増加を含む)
(注)付加価値要件
補助事業終了後3~5年で付加価値額の年率平均3%以上増加、又は従業員一人当たり付加価値額の年率平均3%以上増加の達成を見込む事業計画を策定する。
※付加価値額=営業利益+人件費+減価償却費